【韓国・平昌12日発】スノーボード女子スロープスタイル決勝で、19位に終わった鬼塚雅(19=星野リゾート)は「五輪はあまり好きじゃないと思いました」と放心状態だった。

 ブリザードのような強風に泣いて、助走のスピードが出ない。本来の技の構成ができず、春から磨いてきた大技のバックサイドダブルコーク1080(縦2回転、横3回転)も不発。「自分の実力を出し切れなかったことはすごく悔しい。全然できなくて、言葉が出てこない」と声を詰まらせた。

 2015年世界選手権を史上最年少となる16歳3か月で制し、トップ選手の仲間入りを果たした。昨年12月に待ちに待った五輪代表に内定すると、試合に出場することなく練習で調整した。1月には所属する星野リゾートの協力で福島・アルツ磐梯に五輪仕様のコースを造ってもらい、最後の仕上げを図ったが、目標には届かなかった。

 19日に予選が始まる新種目のビッグエアでは再び、メダル獲得のチャンスがある。失意の鬼塚は「気持ちを切り替えて練習したい」と話すのがやっとで、強風で“雪煙”が渦巻く競技場を後にした。

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