【韓国・平昌5日発】ノルディックスキー・ジャンプ男子の“レジェンド”葛西紀明(45=土屋ホーム)が“鉄板調整”で悲願の金メダル獲得を狙う。

 冬季五輪史上単独最多の8回目の出場となる葛西はこの日、韓国入りするや他のメンバーと自撮りするなど落ち着いた様子だった。前回ソチ五輪では主将として日本選手団をまとめ、今回は旗手を務める。「みんなが最高のパフォーマンスを出せるようにボクも旗を振ってエールを送りたい」と笑顔で話した。

 4年に一度の大舞台の戦い方は脳と体に刻み込んでいる。「体重もベスト体重に近いので万全だと思います」と自信の口ぶり。さらに、他競技の視察も、時間の許す限り行う考えだ。「スケートとカーリングは離れているけど、ボブスレーやアルペンは競技会場が近いと思うので、時間があればまたいろんな競技を見に行きたい」

 ジャンプ以外の競技も楽しみ、モチベーションを高めていく手法は銀、銅と2個のメダルを獲得したソチと同じ。今季W杯は5位が最高と波に乗れていないが、他代表パワーを自身の力に変えて頂点を目指す構えだ。

 9日の開会式は試合(ノーマルヒル)を翌日に控えていることと極寒が予想され、横川朝治コーチ(51)によれば男子ジャンプでの出席者は葛西のみ。レジェンドも「一番ヤバいのは開会式」と不安を募らせる。それでも「ホッカイロをたくさん持ってきました。体中に貼って開会式には出たいと思います」と“全身カイロ”で乗り切る構えだ。