モータースポーツの最高峰フォーミュラ1(F1)は31日(日本時間1日)、今季からレースクイーン制度を廃止すると発表した。

 公式サイトで「F1は2018年シーズンからグリッドガール(レースクイーン)を起用してきた長年の慣例を終了する。GP中に行われる他のレースカテゴリーにも当てはまる」との声明を出した。今季開幕戦となる3月25日のオーストラリア・メルボルンGPから適用されるという。

 これまでレースクイーンは、大会の盛り上げやスポンサーの宣伝活動などをサポートしてきた。しかし、ここ数年は「時代錯誤」や「女性蔑視」との議論が高まっていた。米メディアの「FОX」は廃止について「2015年の中国GPではルイス・ハミルトン(33=英国)が優勝した後のシャンパンファイトでレースクイーンの顔にシャンパンをかけた行為が叩かれたことがある」とし、この件を契機に廃止論が高まったと伝えている。

 F1の商業面を担当するマネジメントディレクターのショーン・ブラッチス氏は「昨年から我々のビジョンと、調和するようにアップデートが必要で多くの分野で検討してきた。F1にとって(レースクイーンは)数十年にわたって慣例となってきたが、我々のブランド価値に合わず、社会規範と相反するものと感じる。F1には適切ではないと思う」と説明した。

 ドライバーやチーム側からは廃止案に反対する意見が多くあったという。F1側は今後レース前に、レースクイーンに代わる新しいイベントを検討しているというが、今回の決定は各方面に大きな波紋を広げそうだ。