2月9日開幕の平昌五輪直前、日本代表選手を激励して送り出す壮行会の公開が相次いで中止になっている。15日には、卒業生のアイスホッケー女子代表2選手の壮行会を開いた東京・日体大荏原高が、当日になってメディアへの公開を取りやめた。

 これらは五輪の規定によるもの。壮行会を開催すること自体は問題ないが、各競技団体、自治体、五輪パートナー(スポンサー)以外が主催する場合は一般、あるいはメディアに公開することは、五輪イメージの商業利用につながるとして禁止されている。同校はこの規定を「認識していなかった」という。

 2年前のリオデジャネイロ五輪までは壮行会がメディアに公開されていた印象もある。しかし、日本オリンピック委員会(JOC)では「少なくとも(1998年の)長野五輪のころには同じ規定はありました。ルールが徐々に浸透してきたということで、今回特に厳しくしているということではありません」と説明する。

 企業はともかく、学校側が生徒募集などを目的に壮行会を公開しているのかは、見解は分かれそうなところ。規定を定めているのは、国際オリンピック委員会(IOC)とあって「選手にペナルティーが科される可能性もあり、日本だけ独自の解釈をすることはできない」(JOC)のも仕方ないだろう。

 JOCは「五輪パートナーがいなければ大会自体が開催できませんし、(収入の)一部は選手の強化費にもなっている。ご理解いただきたい」としており、公開が禁止されているのは大会後の報告会も同じという。メダルラッシュが期待されるだけに、五輪後に混乱が起きなければいいが…。