日本カヌー連盟の成田昌憲会長らが11日、スポーツ庁を訪れ、昨年9月のスプリント日本選手権で鈴木康大(32)が小松正治(25)のドリンクに禁止薬物を入れた問題について謝罪し、再発防止策を報告した。

 スポーツ庁は鈴木大地長官が不在のため、今里譲次長らが対応。冒頭で成田会長が「このたびは誠に申し訳ありませんでした」とおわびすると、続けて古谷利彦専務理事が「スポーツの美徳、日本人の道徳心を踏みにじる行為をわが団体に所属する選手が起こしてしまい、おわび申し上げます」と謝罪し、問題の経緯などを説明した。

 さらに連盟は再発防止策として、ジュニア世代にフェアプレー精神を植えつける「涵養(かんよう)プログラム」の実施やカウンセラーによる選手のメンタルケア、大会ではドリンク保管所を設置し、係員やカメラによる監視を行うことなどを報告した。

 成田会長はこの日の午後、小松も参加しているナショナルチーム合宿(石川・小松市)を訪問する。「我々も心配しているし、選手も心配だと思う。選手たちには『自分たちのペースを取り戻せ。マイペースで行こうぜ』と声をかけたい」と話した。

 一方、スポーツ庁の今泉柔剛国際課長は来週にも各競技団体を集め、アンチドーピングやスポーツの高潔さについてのカウンセリングを行う方針を明かした。