2020年東京五輪で正式種目となったサーフィンで、日本の救世主となるか。25日、都内で会見を開いた五十嵐カノア(20=木下グループ)は両親が日本人で、米カリフォルニア州出身。日本と米国の2つの国籍を保有しているが、東京五輪では日本国籍での出場を希望している。

「家族も親戚も日本人。みんな一緒に行きたいし、みんなに見せたい。そのほうが気持ちがいいので、日本代表でやると決めました」(五十嵐)

 両親の影響で3歳で競技を始め、6歳ですでにスポンサーがついたという“天才”だ。昨年から、世界トップ34人しか出場できない世界最高峰リーグのチャンピオンシップ・ツアー(CT)に18歳の史上最年少、アジア人で初めて参戦した。日本語、英語にポルトガル語、スペイン語、フランス語の5か国語を操る多才な人物でもある。

 国際サーフィン連盟(ISA)は20日に、男子は出場枠20人中でまずCTの上位10人に五輪出場権を与えると発表。開催国の日本には男女1枠ずつ出場権が与えられるが、開催国枠以外は相当の実力者しか出場できない狭き門となる。五十嵐は日本国籍での出場へ「日本サーフィン連盟と確認している段階。前向きに話を進めている」(関係者)。CTですでに実績のある“天才”が正式に日本国籍で出場すれば一転、日本のメダルの可能性も出てくる。

 今季のCTランキングは昨年の20位から順位を上げ17位。五十嵐も「東京五輪に向け、やるべきことが分かった。(CT10位以内が)はっきりと目標になった」と意欲を見せている。