全日本選手権男子フリー(24日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ)でショートプログラム(SP)首位の宇野がフリートップの186・47点を記録し、合計283・30点で2連覇を達成し平昌五輪代表を決めた。

 ただ、いずれも今季シーズンベストからは程遠い数字。さらに宇野の“金メダルプラン”も暗礁に乗り上げた。後半に実戦で初めてダブルアクセル(2回転半ジャンプ)―4回転トーループに挑んだものの、ダブルアクセル―2回転トーループに終わった。羽生超え、そして平昌五輪金メダル獲得のための方程式はつまずき「結果をのみ込めないくらい情けない」と唇をかんだ。

 冒頭の4回転ループを決めるなど前半は上々の出来。それが、4回転フリップで転倒してから一気に崩れた。直後に難易度の高いコンビネーションジャンプを決めるにはスタミナを消耗し「明らかに体力的に跳べない。この構成での練習が足りてなかった」と肩を落とした。

 平昌五輪まで残り2か月を切った。練習量を増やして成功率を高めようにも、時間との勝負になる。本番で構成に入れるかどうかも「分からないです」と白紙。羽生のいない全日本で圧倒的な存在感を放つはずが、新たな壁にぶつかった。全日本王者は不安を払拭できないままだ。