陸連・伊東強化委員長なぜ「電撃辞任」

2017年12月21日 11時00分

 日本陸連は19日、都内で理事会を開き、伊東浩司強化委員長(47)の辞任を了承した。2020年東京五輪までの任期半ばで強化のトップが辞任する異例の事態となった。

 理事会に伊東氏の姿はなく、日本陸連の尾県貢専務理事(58)が伊東氏のコメントを代読した。理由は3つ。(1)所属の甲南大が19年に創立100周年を迎えることで学務が多忙になり、強化委員長の任務に支障が出てはならないこと。(2)今年の世界選手権男子400メートルリレーで銅メダルを獲得し、100メートルでは9秒98の記録が出たことで、強化委員長としての任務にひと区切りをつける良いタイミングであること。(3)「日本陸上界のポスト東京五輪を見通す長期的観点から少し距離を置き、余裕を持って強化組織の透明性とそのあり方も含めて観察熟慮する時間を作りたい」という本人の意向が述べられた。

 大学が創立100年を迎えることは、就任前から分かりそうなものだが、尾県専務理事は「それは分からなかったこと。100周年行事の中心にいることになった」とフォロー。最も気になる陸連の強化組織の「透明性」については「問題ない。より分かりやすい強化組織を表している」(同専務理事)と強調した。

 後任は前委員長の麻場一徳氏(57)が務める。伊東氏は16年リオデジャネイロ五輪後に強化委員長に就任した。その1年前の15年9月には原田康弘氏が世界選手権の不振の責任を取り、強化委員長を辞任。副委員長だった麻場氏が昇格し、伊東氏へとつないでいた。

 わずか2年で強化トップが3度も交代する人事の慌ただしさはスポーツ界でもほとんど例はなく、別の理由も勘ぐられかねない。今年の世界陸上では銀1、銅2を獲得。東京五輪に向けて順調に強化が進んでいただけに、異例さが際立っている。