バドミントンの全日本総合選手権(28日~、東京・駒沢体育館)で、注目は違法賭博による競技会出場停止処分が5月に解け、約2年ぶりに今大会に出場する桃田賢斗(23=NTT東日本)だ。

 5月に国内大会で復帰後、7月から国際試合に出場し、目下5連勝。約1年間のブランクがあったにせよ、元世界ランキング2位の実力は本物。今大会で決勝に進出すれば、日本代表入りもできる。関係者からは「代表復帰は堅い」という声がもっぱらだ。

 当初は桃田が深く反省する様子から、早期代表復帰の可能性も取りざたされた。だが「我々だけの問題ではない。世間の目がある」(日本バドミントン協会関係者)と特別扱いはしなかった。格付けの低い大会を回って地道にポイントを稼ぎ、23日付の世界ランキングでは50位。実力で代表の座を勝ち取れば、完全に“みそぎ”は済んだと言えそうだ。

 26日には、昨年大会で優勝した西本拳太(23=トナミ運輸)が会見に出席。桃田について「復帰したことで、自分にとっても刺激になり、半年間いい結果が出たこともあると思う」と好影響があったという。まじめ一徹に競技を続けてきた桃田が、世間を騒がせた騒動に完全に終止符を打つためにも、日本一をもぎ取りたいところだ。