ファンペルシーを改心させた小野

2013年01月29日 11時00分

世界サッカー、この人に、この恩師あり(1)

 世界と日本サッカー界の“意外な関係”に迫る新連載「世界サッカー、この人に、この恩師あり」の第1回は、マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)のオランダ代表FWロビン・ファンペルシー(29)。日本代表FW香川真司(23)も所属する名門クラブのエースを“超一流選手”に育てたのは、なんと元日本代表MF小野伸二(33=ウェスタンシドニー)だった。

 

 2002年日韓W杯前のこと。ファンペルシーはフェイエノールト(オランダ)ユースからトップチームに昇格。18歳でU―21オランダ代表に選出され、将来を嘱望されるストライカーだった。

 

 ところが…誰もが認める才能を持ちながら若手選手にありがちな“テング”になってしまう。夜遊びが過ぎ、練習やミーティングに遅刻。また自身の起用法をめぐり、コーチ陣や先輩イレブンと衝突した。さらにはチーム内の不満を外部へ漏らすなど、過激な言動を繰り返す問題児でもあった。

 

 当時のベルト・ファンマルバイク監督(60=元オランダ代表監督)もBチームへ降格させるなど、悪童への対応に苦慮。そんななか、更生に乗り出したのは、フェイエノールトで大活躍していた小野だった。

 

 当時の小野はオランダでもっとも有名な外国人として知られた。ドイツやイングランドへの移籍話が絶えないほどの注目株。22歳ながらチームの中心で、キャプテンマークを巻くこともあった。

 

 ファンペルシーは年齢が近く、人格者だった小野の言葉には素直に耳を傾けた。その結果、改心してスターへの階段を駆け上がった。

 

 小野はオランダ時代に「スピードもテクニックもあるし、すばらしい選手。指導した? まだヤンチャですけどね。ロッカーでは相変わらず暴れてますし…」と話しており、ファンペルシーもアーセナル時代に「シンジは、オランダ代表の誰よりもうまかった」と尊敬の念を口している。

 

 ファンペルシーは04年アーセナル(イングランド)に移籍。今季から移ったマンチェスター・ユナイテッドではエースと呼ばれる活躍で、世界屈指のストライカーと認知されるようになった。これもオランダ時代に指導を受けた小野のおかげなのだ。