村田の「金言」怪物ボクサー・井上の進む道

2013年01月15日 16時00分

 ロンドン五輪ボクシングミドル級金メダリストの村田諒太(27=東洋大職)が“怪物ボクサー”井上尚弥(19=大橋)に緊急アドバイスだ。井上には国内最速での世界王座奪取の期待がかかるが、かつてナショナルチームでチームメートだった村田は「そんなこと言っちゃダメ」と後輩と陣営にアドバイス。いったいどういうことなのか?

 

 

 井上は5日にプロ2戦目を行い、1Rに左フック一発で衝撃のKO勝ち。格の違いを見せつけた。村田は年齢が8歳も違うが、アマチュアナショナルチームの遠征では遊園地に連れて行ってリラックスさせるなどして面倒を見てきたという。

 

 金メダリストの井上評も「あれはすごいですよ。今まで見たことないです。他にも軽量級のボクサーはいましたけど、持っているもので考えると井上は別格ですよ。こんな強い高校生、見たことがないですから」(村田)とベタぼめ。さらに人間性にも「性格も明るいし、あれだけの実力と人間性があれば間違いなくプロの世界でも成功する」と太鼓判を押した。

 

 ただ、気になる点もあるという。大橋ジムの大橋秀行会長(47)は、井上のあまりの怪物ぶりに「大みそかに何かあるかも。記録を狙わなくても、必然的に記録を作ることになっちゃうかも」と話している。周囲は、年末に井岡一翔(23=井岡)の持つ世界王座最速奪取記録(7)更新をかけて世界挑戦させることも視野に入れている。

 

 この点について村田はこう指摘する。「井上なら、5戦目だって(世界挑戦)できるかもしれない。でも、まだ19歳ですよ。周りの大人が『最速』だとか『3階級』『4階級』とか、言っちゃダメ。本人は一生懸命やるだけですから、周りはそのサポートをしっかりしないと。あまり浮足だったようなことをしちゃ、ダメですよ」

 

 もちろん将来の世界取りについては「はっきり言ってできるでしょ」(村田)。井上は今後5年どころか10年、日本のボクシング界を引っ張っていける大エース候補。それだけに、目先の記録にこだわらず、しっかりと地に足をつけてキャリアを積むべきというわけだ。

 

 井上本人は本紙の新春インタビューで「今年は日本王者を目標にしたい」と語っている。これを伝え聞いた村田は「さすがは井上、カッコいいですね。よく分かっている」と笑顔。金メダリストの指摘通り、怪物が大成するかはテレビ局を含めた周囲のサポートにかかっている。