女子テニスの元世界ランキング4位の伊達公子(46=エステティックTBC)が28日、自身のブログで現役引退を発表した。ジャパン女子オープン(9月11日開幕、東京・有明テニスの森公園)が最後の大会となる。

「伊達公子、再チャレンジにピリオドを打つ決断をいたしました」

 そうブログで宣言し、女子テニスの鉄人が今度こそコートを去る。1996年に一度は引退。レーシングドライバーのミハエル・クルム(47)と結婚(昨年離婚)し、2008年に復帰した。しかし昨年2度、左ヒザの半月板を手術。古傷の右肩も痛みが再発した。不屈の闘志を誇る第一人者もケガには勝てなかった。

 日本選手にとってお手本のような存在だった。伊達を高校生のころから見てきた日本テニス協会の倉光哲理事(73)は「あの体で(ビーナス)ウィリアムズや(リンゼイ)ダベンポートとか大柄な選手に強かった。(マリア)シャラポワに対してもそう。外国人に対してはこうやるべきというのは残しましたよね」とたたえた。

 特に代名詞のライジングレシーブは「相手がラケットを振り切ったと思ったらすぐボールが返って来ている。大柄な選手はテークバックできない」(同)と抜群のキレ。自身も47歳で現役を引退した倉光氏は「(伊達が)復活した時、若手の中に入ってやる苦労や工夫なりは手に取るように分かった。最近は故障続き。精神的なものより『これはダメだ』という踏ん切りをしたんじゃないかと思います」と胸中を察し、引退を惜しんだ。

 伊達は「区切りをつけなければならない時があるのならば、それが今ではないかと思った」とつづった。その功績が色あせることはない。