陸上世界選手権(ロンドン)男子400メートルリレーで銅メダルを獲得した多田修平(21=関学大)が20日、ユニバーシアード競技大会(台北)に向けて成田空港を出発した。

 多田は24日決勝の100メートル、28日決勝のリレーに出場する。世界選手権の疲れは残っているものの、日本人初の9秒台の期待がかかる100メートルに向け「(10秒)0台は最低でも狙っていきたい。1位を目指して頑張りたい」と意気込んだ。

 世界選手権では100メートルでウサイン・ボルト(30=ジャマイカ)と並走するなど貴重な経験を積んだ。「あんな緊張感のある試合は今後、絶対味わえない。初めての世界大会で、しかもボルト選手と走れた。前半から中盤にかけて案外、勝負できると感じた」と成長を実感した。

 今後も9月の日本学生対抗選手権(インカレ)などレースは続くが「全ての大会において、ベストに近い走りを目指していきたい。メダルを取ったからといって妥協とかも一切なく、逆にメダリストだから常に緊張感を持って練習にも励んで、常にトップの選手でいられるように頑張りたい」。

 爽やかなルックスで注目度も上がるばかり。実家に戻ると祝福の声が殺到し「色紙が近所の人からたくさん届いて『サイン書いてくれ』とかありました」と笑顔で明かした。

 ユニバーシアードでは初めて選手村に宿泊する。サッカー女子代表の森田有加里(20)は大阪桐蔭高時代の同級生。他競技の選手との交流も楽しみの一つで「いろいろ回ってみたい。競泳の選手は(五輪や世界選手権で)結構、メダルを取っている選手が出ている。陸上と共通する部分があると思う。そういう話も聞けたらいい」と話し、機上の人となった。