最側近バノン氏もトランプ政権を去る “陰の大統領”切り捨ての狙いとは

2017年08月19日 17時00分

 トランプ政権が「陰の大統領」を切り捨てた。米ホワイトハウスは18日、バノン首席戦略官兼上級顧問の辞任を発表した。大統領選でトランプ氏を勝利に導き、排外主義的な政策を主導した最側近のバノン氏だったが、トランプ氏の家族や他の側近との意見対立から排除を求める声が高まっていた。トランプ大統領による事実上の解任だ。バノン氏が去ることで、政権運営の方向性が大きく変わるだろう。

 サンダース大統領報道官は18日の声明で、18日を最後にバノン氏が辞任することで、ケリー大統領首席補佐官とバノン氏が合意したと明らかにし、バノン氏の「貢献」に謝意を表明した。

 バノン氏は人種差別的な論調を掲げる右派サイトの会長を務めたほか、大統領選では選対本部の最高責任者として「米国第一主義」を前面に出した選挙戦を展開。イスラム圏諸国からの入国規制やメキシコ国境への壁建設を主導してきた「陰の大統領」だ。

 だが、トランプ氏の娘婿クシュナー大統領上級顧問ら政権内の穏健派やマクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)と対立し、ホワイトハウス混迷の元凶と見なされていた。秩序回復を図るケリー氏が解任を主導したとみられるが、更迭続きで屋台骨が揺らぐ政権を安定させられるかは見通せない。

 米メディアによると、バノン氏は今月7日にトランプ氏に辞意を伝えたが、南部バージニア州での白人至上主義者と反対派の衝突事件で決定が遅れていた。

 衝突事件への対応を巡り白人至上主義者を擁護したと批判を浴びているトランプ氏側には、バノン氏解任で事態の沈静化を図る意図があるとみられる。トランプ氏は15日の記者会見で、バノン氏の去就を問われ「そのうち分かる」と述べていた。実力者を切り捨てた政権の今後に注目だ。