陸上の日本選手権初日(23日、大阪・ヤンマースタジアム長居)男子100メートル準決勝でサニブラウン・ハキーム(18=東京陸協)が10秒06(追い風0・5メートル)を出し、全体トップで24日の決勝に進出した。

 予選も同タイムで「自分でもこんなにいいタイムをバンバン出せるとは思わなかった。正直、びっくりしている」と驚きを隠さない。世界ユース選手権(17歳以下)短距離2冠の怪物は新たな進化を証明し「去年、おととしに比べ、上半身が安定してブレなくなった。いいフォームで走れるようになった」と“勝因”を挙げた。

 世界選手権(8月、英国・ロンドン)はリレーを含め、3種目での代表入りにも前進。決勝は夢の9秒台の期待がかかる。「予選、準決勝をトップで通過しても、決勝で勝てなかったら意味がない」。謙虚に語るサニブラウンに、大記録の予感が漂った。