2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は22日、大会マスコットの応募要項を発表した。大会エンブレム同様、一般公募となる。今年4月1日時点で18歳以上であれば、日本国籍はもちろん、日本在住の外国籍者でも応募は可能。プロ、アマも問われない。

 マスコット審査会座長を務める宮田亮平文化庁長官(71)は「熱い思いと知見を集結させた世界に誇れるマスコットになればいい」と期待感を語った。審査会メンバーでタレントの中川翔子(32)も「心を揺るがすキャラクターをお待ちしています!」と今からワクワクが止まらない様子だ。

 募集期間は8月1日から14日まで。応募作品はマスコット審査会に諮られ、最終的に3~4候補程度に絞られるという。そして、今回の目玉は何といっても、正式採用を決めるのが小学生ということ。各学校のクラス単位で投票権があり、投票数が多い作品が実際に採用される。

 夏野剛慶応大教授(52)は「自分たちのものが決まれば、一生に残る経験になる。また自分の意見をクラスでディスカッションして、合意形成するというのもいい」と教育上の意義を強調した。

 ところが、だ。実はIOC(国際オリンピック委員会)がこれに強く難色を示していたという。大会関係者が裏事情を明かす。

「これまで五輪のマスコットはプロが応募して専門家が選定するのが通例なんです。こんな選考の仕方は史上初めて。IOCは『過去の五輪で小学生が決めた例はない。本当にできるのか?』と非常に懐疑的でした。交渉はかなり紛糾したんです。そもそも公募だって、IOCは推奨していませんからね」

 これまで大会エンブレムや新国立競技場の計画再考、さらに競技会場の変更問題など、東京五輪関連では後から“ちゃぶ台返し”してきただけに、IOCとしては不信感があるのだろう。順調に決まることを願うばかりだが…。