フィギュアスケート世界選手権女子シングルのフリー演技が31日(日本時間1日)、フィンランド・ヘルシンキで行われ、四大陸選手権優勝の三原舞依(17=神戸ポートアイランドク)は自己ベストを更新する138・29点をマークし、ショートプログラム(SP)15位から挽回して合計197・88点で5位に入った。

 SP9位の樋口新葉(16=東京・日本橋女学館高)は122・18点と伸ばしきれず、合計188・05点で11位。SP12位の本郷理華(20=邦和スポーツランド)は合計169・83点で16位に終わった。この結果、上位2人の合計順位は「16」となり、来年の平昌五輪出場3枠確保に必要な「13」を満たせず、2枠に減少することが決まった。

 SPでは最後のジャンプで転倒し、悔し涙を流した三原が四大陸女王の意地を見せた。「シンデレラ」の曲に乗り、冒頭の3回転ルッツ―3回転トーループのコンビネーションジャンプを成功させると、2回転アクセル―3回転トーループ、回転3ルッツ―2回転トーループ―2回転ループのコンビネーションを含む7本のジャンプを完璧に着氷。ステップシークエンスも華麗にこなし、ノーミスの演技だった。

 キスアンドクライで得点を見ると、驚きと歓喜が入り交じった表情で満面の笑み。「SPの時はすごく緊張していて、フリーではその経験が生かされた。楽しんで滑ると切り替えてできたのが良かった」と満足げに振り返った。

 この勢いに乗りたい日本勢だったが、続く本郷は冒頭の3回転フリップ―3回転トーループが跳べずに単発の2回転フリップ。その後も不安定な演技で、最後の3回転フリップで転倒して得点を伸ばせなかった。樋口は冒頭の3回転ルッツ―3回転トーループこそきれいに着氷したが、続く3回転ループでバランスを崩し、後半に予定していた3回転ループ―3回転トーループのコンビネーションが単発の2回転ルッツに。最後のコンビネーションでも転倒し、悔しい結末となった。

 優勝はグランプリファイナル覇者のエフゲニア・メドベージェワ(17=ロシア)。フリーで自らが持つ世界歴代最高得点を更新する150・79点をマークし、合計でも史上初の230点超えとなる233・41点で、ミシェル・クワン(米国)以来16年ぶりの連覇を達成した。2位にケイトリン・オズモンド(21)、3位にガブリエル・デールマン(19)のカナダ勢が入り、表彰台にカナダ勢が2人上がったのは史上初。平昌五輪で出場3枠を獲得したのはロシア、カナダ、米国。日本やカザフスタン、韓国などが2枠となった。

【三原の話】昨年はいろいろ大変で、たくさんのことを乗り越えてきた。去年の今ごろは、自分が今こんなところに立っているなんて思わなかった。すごい経験をさせていただいて、すごくうれしい。この経験を来シーズンに生かしていけるように頑張っていきたい。

【樋口の話】しっかり滑りきれたことでホッとしている。昨日、すごく良い演技ができて、今日も6分間練習でいい練習ができていたが、2個目のルッツが跳べなくて少し崩してしまった。SPでは練習どおりのいい演技ができて良かったが、フリーでは練習どおりにできなかった。

【本郷の話】ジャンプでミスしてしまった。不安に思っていたところをミスしてしまい、そこが悔しいところ。最後まであきらめないと思ってやった。最後のフリップを失敗してしまったが、そこを決められたらよかった。反省も多く、悔しい大会だった。