カーママ、4度目の五輪なるか? カーリング女子で過去3度五輪に出場した小笠原歩(38=北海道銀行)が、混合ダブルス日本選手権(3月1日開幕、北海道・北見)に日本カーリング協会強化委員会推薦チームとして出場することになり、話題を集めている。大ベテランには最適ともいえる新種目で旋風を巻き起こせるか。その見通しは――。

 小笠原はトリノ、バンクーバー五輪で監督を務めた阿部晋也(37)とペアを組み、2018年平昌五輪出場を目指す。北海道銀行の司令塔としてチームで争う日本選手権で4位に終わり、平昌五輪出場を逃しており、混合ダブルスで再挑戦する。17日の会見で小笠原は「多くの人に種目を知ってもらうきっかけになればと考えた。カーリングを全うしたい」と笑顔で話した。

 今回は平昌五輪出場資格を取るという日本カーリング協会の目標のもと、小笠原&阿部を含めた3ペアが強化委員会から推薦された。混合ダブルスはカーリングの新種目で、平昌から採用される。男女の4人制とは異なり、2人で行う。また、事前にストーン(石)が置かれた状態から試合が行われるといった違いがある。

「選手が4人から2人になるので(氷をこする)スイーピングでストーンを変化させる高い技術や、正確なショットが要求されます。必要な体力は男女カーリングと同じですね」(日本カーリング協会・倉本憲男事務局長)。スタミナよりも技術の高さが何よりも必要とされる。選ばれた3ペアは、いずれもすご腕の持ち主という評価を受けたわけだ。

 日本選手権優勝ペアが五輪出場権がかかる世界選手権(4月、カナダ)に出場する。小笠原&阿部は抜群の知名度と経験、技術を誇るだけに、戦う前から対戦相手にとっては嫌だろう。即席ペアでも、怖いものなしと思える。だが、そこはチームワークが重要な非個人種目だ。「もともと混合をやっているペアもいます。結果はやってみなければ分かりません」(同事務局長)という。実力者同士で組んだからといって、平昌への道はそう簡単なことでもないようだ。

 小笠原も「ミックスダブルスは未知の世界。日本選手権でどこまでできるか」と慎重な姿勢を見せている。一度は五輪出場の道を断たれたカーママが、新種目で激しい戦いを制したいところだ。