ライバルは誰か。ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(20=クラレ)が、世界選手権(22日開幕、フィンランド・ラハティ)の個人で自身初の金メダルを狙う。

 16日に行われたプレ五輪大会のW杯平昌大会で優勝し、歴代最多に並ぶW杯通算53勝を達成。20日、フィンランドに向けて出発した。世界選手権は過去3回で2位が最高。今季、高梨は「ピークを合わせること」を目標に、課題の克服に取り組んできた。

 高梨は「ピーク」について、心技体を極限状態に持っていくことと説明。

「心」は集中力、「技」は空中姿勢の修正を挙げたが、不安視されるのは「体」だ。連戦で疲労の蓄積が予想されるが、「体調管理に気をつけてやってきた」と、究極ジャンプの発射態勢をアピールした。

 世界のライバルも虎視眈々と金メダルを狙っている。マーレン・ルンビー(22=ノルウェー)や、ソチ五輪金メダリストのカリーナ・フォクト(25=ドイツ)も好調だが、高梨陣営が警戒する選手には意外な伏兵がいる。

 W杯個人総合7位のエマ・クリネツ(18=スロベニア)は「粗削りだけど、テークオフの持っていくポジショニングは、すごくいい」(関係者)。ドイツ勢では同4位のカタリナ・アルトハウス(20)で「若いけど、ベースはある」(同)と伸びしろも十分だという。

 今回は過去、最もハイレベルな激戦になることが確実。わずかなミスが命取りになりそうだ。