ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(20=クラレ)が4日、W杯参戦のためドイツへ出発した。

 ここまでW杯4戦3勝の高梨は、オーベルストドルフで行われるラージヒル(HS137メートル)2戦に挑む。この会場でラージヒルを飛ぶのは初めて。北海道・上川町の実家で過ごした年末年始も同会場で行われた男子のジャンプ週間をテレビ観戦し「飛びやすそうなジャンプ台」とイメージを膨らませたという。

 その一方で刺激もあった。「ちょっとのミスをするだけで予選を通らなかったり、レベルの違いを感じた。男子のジャンプは誰のジャンプを見ても見ほれるくらい格好いい」。特にジャンプ週間開幕戦を制したステファン・クラフト(23=オーストリア)には「ムダのない動き。特にきれい」と目を奪われた。

 大ジャンプが代名詞の高梨。練習ではラージヒルで男子に勝ったこともあるが、本来は「ガッと高いところから飛んでいくジャンプ台より、なめていくほうが本人は好き」(関係者)と繊細な技術を生かすタイプ。男子の飛型フォームを参考にして、これまで以上にパーフェクトなジャンプを目指す考えだ。

「世界選手権(2月、フィンランド)の金メダルもそうですし、平昌五輪に向けても取りたいものは決まっている。飛躍の年にできるようにしたい」。とり年の今年、高梨はあらゆるタイトルの“総ドリ”を狙っていく。