成田童夢がスノボ未成年男子選手「飲酒」問題に苦言

2016年10月27日 21時44分

トリノ五輪スノーボードハーフパイプ日本代表でサブカルタレントの成田童夢

 全日本スキー連盟(SAJ)は26日、スノーボード男子ハーフパイプの強化指定選手2人(未成年)が2月の全日本選手権後に飲酒し、同席した成年の強化指定選手2人も飲酒を黙認していたと発表。助成金の返還を検討している。

 

 SAJは4月にもスロープスタイルの強化指定男子選手(未成年)2人が、米国遠征中に大麻を使用したとして事実上の除名処分を科している。

 

 この問題について、トリノ五輪スノーボードハーフパイプ日本代表でサブカルタレントの成田童夢(31)が27日、本紙の取材に対し、スノボ選手の現状と問題点を語った。

 

 以下、一問一答。

 

 ――なぜ問題が頻発するのか

 

 童夢:スノボは比較的娯楽性が高いスポーツ。アウトローな雰囲気の選手が多く、その場のノリが重視される。判断能力に乏しい未成年選手は、そういう悪そうなノリが格好いいと思い込んでしまう傾向にある。

 

 ――選手は代表の重さを理解しているのか

 

 童夢:スノーボーダーは選手としてのあり方がアスリートではない。Xゲームや高額賞金大会の方が重要で、五輪なんてどうでもいいと思っている者もいる。それが代表スーツを着崩した「腰パン事件」(※)のように態度に表れる。

 

 ――わざわざ税金を投入して日本代表を選ぶ必要はないとの意見もある

 

 童夢:本当に情けない限りだが、スポーツとしての歴史が浅く、みんなの憧れとなり、お手本となる選手がいない、指導者が少ないという側面はある。協会自体も発展途上なので、どうか長い目で見ていただきたい。

 

 ――合宿中に打ち上げで飲酒した未成年の同僚選手から酒ビンで殴られた経験がある

 

 童夢:コーチはその場におらず、成年選手も止めなかった。選手同士のなあなあが、あのような行動につながる。私の現役時代からあまり管理態勢に進歩がみられない。

 

 ――再発を防ぐには

 

 童夢:私の現役時代は「たばこを吸うな」「酒を飲むな」と言われなかった。父親から厳しくしつけられたので、当たり前のことだと思っていたが、そうでない選手もいる。ゆとり世代はさらにひどくなっている。指導者が道徳的なことを繰り返し説いて、自覚を促すしかない。国を代表する重み、不用意な言動がどれだけ周りに悪影響を与えるか。徹底した教育が必要だ。

 

 ――自由と、倫理観や道徳心を失うことをはき違えている

 

 童夢:個人競技だから自分のことだけ考えればいい、という考えは間違っている。ほかの個人競技と比べても、これだけ問題の起きる競技はない。理由の一つは上下関係がないことかもしれない。スノボはうまかったら、小学生でもプロになれる。技術だけが重要だと勘違いして成長すれば、ゆがんだ人格を生む可能性がある。他者を敬う心を育むことが大切だ。

 

 ――スノボ人口は2002年の540万人をピークに半減している

 

 童夢:当然、競技者も劇的に減っている。このままでは日本からスノボという競技が消滅する可能性すらある。五輪を軽んじる選手がいるが、裾野を広げて競技人口を増やすには五輪参加は欠かせない。日の丸を背負って子供たちに夢と希望を与えることこそが、自分たちが生き残る唯一の道だということを選手は自覚すべきだ。

 

※2010年2月、バンクーバー五輪でドレッドヘアにサングラス姿の國母和宏(当時21)が、日本代表の公式スーツを着崩し、チャラい言動で猛批判を浴びた。國母はその後、米国に拠点を移して世界トップレベルの活躍を続けながら、日本代表の技術コーチを務めて後輩のメダル獲得に貢献している。