手抜きで出場停止…テニス界の悪童が日本では「いい人」の理由

2016年10月20日 10時00分

キリオスは日本では好青年だったが…(ロイター)

 いったい、どっちが本物なの? 先の男子テニス、楽天ジャパン・オープンで初優勝した世界ランキング14位のニック・キリオス(21=オーストラリア)が一転して窮地に立たされている。

 テニス界きっての“悪童”がまたまた大暴走だ。キリオスは12日の上海マスターズ2回戦での手抜きプレーが「無気力試合」とみなされた。ATPは17日(日本時間18日)、2万5000ドル(約260万円)の追加の罰金とこの日から来年1月15日までの出場停止処分を科すことを発表。昨年8月には試合中に同3位スタン・バブリンカ(31=スイス)の恋人の“浮気”を暴露し国際的に批判を浴びた男が懲りない一面をのぞかせた。

 ただ、不思議なのはつい1週間前、楽天ジャパン・オープンでは別人のような姿を見せていたことだ。観客に悪態をつくなどの問題行動も一切見られず、キリオスは「非常に質の高いプレーができた」と自画自賛。会見場でも常に紳士的で「彼は本当はいいヤツですよ」(大会関係者)と称賛の声も上がるほど。実際、日本でのキリオス評はそれほど悪くはない。

 これはどういうことなのか。実はキリオスにとって日本は特別な国。ジュニア時代に優勝しただけでなく、姉のハリマーさんは現在も大阪で働いており「大阪は食べ物がとてもおいしい。こないだ行った時はユニバーサルスタジオで遊んだ。とても楽しかった」とキリオスは無邪気に笑う。リオ五輪は不満タラタラで出場を辞退する一方、2020年東京五輪に向けては「実現すれば素晴らしいことだ」と声を弾ませたのも日本に好印象を抱いているためだ。

 好青年の顔も併せ持つキリオスだけに、問題児のイメージばかりが先行しているのは日本のファンにとっても極めて残念。猛省が必要だ。