リオ五輪競泳男子800メートルリレーで銅メダルを獲得した松田丈志(32=セガサミーHD)が12日、都内で引退会見を開いた。「今はすっきりしていて、一点の悔いもない。金メダルに届かなかったのもいい思い出」と晴れ晴れとした表情で語った。

 2004年アテネ五輪から4大会連続で五輪に出場し、4個のメダルを獲得。4歳から宮崎・延岡市のビニールハウスのプールで競泳を始めた。当時から二人三脚で歩んできた久世由美子コーチ(69)は「常に夢を持たせてくれた。そういう青年に出会えて良かった」と笑顔を見せた。

 久世コーチが指導について毎日書き続けたノートは、250冊以上にもなった。松田は「久世コーチがいなかったら今の自分はなかったと思う。一つひとつは小さいことだけど、それを長く続けてきたのは大変だったと思う。感謝しているし、これから少しずつ恩返ししたい」と涙を浮かべた。

 今後については未定だが、競泳の普及活動や指導に興味を持っている。「自分が本当に心を動かされるものを見つけてやっていきたい。東京五輪にもベストな形で関われたら」と抱負を述べた。