【ネバダ州ラスベガス23日(日本時間24日)発】ロンドン五輪金メダリストでWBCミドル級4位の村田諒太(30=帝拳)が、当地のMGMグランドで行われたミドル級10回戦で、元WBC米大陸ミドル級王者のジョージ・タドニッパ(37=米国)に1R1分52秒、TKO勝ちした。プロ転向後、自身最速の勝利で“聖地”のファンへアピールした。

 衝撃的なKOシーンだった。1R中盤すぎ、タドニッパをニュートラルコーナーに追い詰めると右ストレートを5連発。さらに左ボディーを打ち込もうとしたところでレフェリーが2人の間に割って入り、試合を止めた。

 立ち上がりはタドニッパが積極的に手数を出す。攻めあぐねているようにも見えた村田だが、相手との距離を見極めると右を打った後に鮮やかな左ボディーを打ち込んだ。「あのパンチは誰でも倒れると思う」(村田)という自信の一発で、相手の戦意を失わせると、あとは仕留めるだけだった。

 帝拳ジムの本田明彦会長(68)が「予定通りの戦い方。村田のミドル級での戦い方が完成してきた」と言えば、浜田剛史代表(55)も「単に倒したのではなく、ゴチャゴチャと出てきた相手に対してその時に必要なパンチを出した。成長をアピールできた試合だと思う」と評価する。

「もっと強い相手とやって、もっと上の戦いを見ていきたい」と話す村田。3戦連続KO勝利で、いよいよ世界挑戦の時が近づいてきたといえそうだ。