大相撲名古屋場所4日目(13日、愛知県体育館)、大関照ノ富士(24=伊勢ヶ浜)が関脇栃ノ心(28=春日野)を寄り切って初日から4連勝。取組後は「まだ4日目。何とも言えない」と慎重な口ぶりだったが、カド番脱出に向けて大きく前進した。両ヒザに故障を抱え、夏場所は大関ワーストとなる13連敗。今場所は相撲に本来の力強さが戻りつつある。

 ケガをきっかけに生活は一変した。かつては朝青龍ばりの“酒豪”としても鳴らした。土俵では怖いもの知らずで暴れ回り、夜になれば肩で風を切るように繁華街を闊歩。照ノ富士は「前はメチャクチャやってた。それでも普通に勝てたから。だけど『これでいいのかな?』と思っていた」と以前の自分の姿を振り返る。それが今では、何よりも体調管理を優先させるようになった。

 場所が始まる直前には一時帰京し、ヒザにたまっていた水を抜く処置を受けた。照ノ富士は「全然違う。ちゃんと蹲踞(そんきょ)もできるようになったから。場所中も水を抜く? あるかもしれない」。さらに「酒を飲むと(炎症で)水がたまるから」とネオン街も封印し、取組後もアイシングなどのケアに余念がない。すべてはカド番脱出、そして完全復活を果たすためだ。

 大関昇進時には誰もが横綱候補と認めた大器。再び旋風を巻き起こす日はくるのか。