競泳背泳ぎの入江陵介(26=イトマン東進)を指導して10年以上になる道浦健寿コーチ(61)が、「シンプル・イズ・ベスト」の調整法で入江をサポートする。

 萩野公介(21=東洋大)や星奈津美(25=ミズノ)ら他のメダル候補が海外で合宿を行う中、国内にとどまる道を選択。6月中旬からのスペイン高地合宿もキャンセルした。その狙いを道浦コーチは「海外だと食事の面も含めて相当準備をして乗り出さないといけない。3回目なので五輪の怖さも知っている。参加するだけじゃなく、結果を追求したい。そういう意味で国内が一番いい。本当にシンプルな形」。7月下旬の出発まで環境が整った国内で、泳ぎの向上に集中するという。

 目指すは100、200メートルで2冠に輝いた2014年アジア大会の泳ぎだ。不調の時は水をかく時、泡を引きずったまま泳いでいたが「8~9割ぐらいで余裕を持って泳ぐ時は、泡をつかまないで泳げてきている」。5月のジャパン・オープンでは「練習の状態とレースの状態が一致した」と上向きで、抵抗の少ないキレのあるフォームを取り戻しつつある。

「あとは気持ちさえ『この泳ぎなんだ』ってつかめてくれば、いけるんじゃないかと思う」。五輪を知り尽くす師弟コンビが悲願の金メダル獲得なるか。