日本選手権女子200メートル平泳ぎで世界記録まであと0秒54と迫る2分19秒65の日本新を叩き出した金藤理絵(27=Jaked)だが、この快挙を10年前に予測していたのが加藤健志コーチだ。

 東海大入学前、金藤の泳ぎを見た加藤コーチは「2分20秒を切れる泳ぎをしている」と即座に潜在能力を見抜き、声をかけた。当時、27秒台が精一杯だった金藤にとっては夢のまた夢…。到底、信じられるものではなかったが、加藤コーチは11秒台の男子選手に懸命に食らいつく金藤の姿を見て「この練習でこのタイムが出るならオマエは切れる」と大化けを確信したという。

 それから10年の歳月を経て、予言は見事的中。関係者が「奇跡ですよ」と一様に口を揃えるサクセスストーリーは、金藤自身も驚く加藤コーチの“眼力”が起点だった。