【東京五輪招致活動に疑惑】国際陸連前会長周辺の口座に送金?

2016年05月14日 10時00分

 国際陸連のラミン・ディアク前会長(82=セネガル)らによるドーピング隠蔽に絡んだ汚職を捜査しているフランス司法当局が2020年東京五輪・パラリンピックの招致活動にも捜査対象を拡大している問題で、英紙ガーディアンは11日、東京側がディアク前会長の息子に関係するシンガポールの銀行口座に約130万ユーロ(約1億6000万円)を送金した疑惑があると報じた。匿名の関係者2人が証言した。

 送金先は、ロシア陸上界のドーピング隠しに絡む金銭のやりとりでも使われた疑惑の口座。フランス司法当局は12日、予審判事らによる捜査が始まったことを明らかにした。

 検察当局の声明によると、日本の銀行から13年7月と10月に「東京五輪招致」の名目で、ディアク前会長の息子に関係するシンガポールの銀行口座に計280万シンガポールドル(約2億2300万円)が振り込まれたことが判明。同じころに前会長側がパリで多額の金銭を支出していたことを確認した。前会長は当時、国際オリンピック委員会(IOC)の委員として五輪開催都市決定に影響力があったとされる。

 東京五輪招致を巡っては、ロシアのドーピング問題を調査した世界反ドーピング機関(WADA)の第三者委員会が1月に公表した報告書で、日本側が国際陸連に協賛金を支払った証言があると指摘。イスタンブールが立候補したトルコ側は400万ドル(約4億4000万円)から500万ドルの協賛金を支払わず、当時国際陸連会長でIOC委員としても影響力があったディアク氏の支持を得られなかったとした。

 ガーディアン紙は国際陸連とマーケティング契約を結んでいる広告代理店電通の関与疑惑も指摘したが、電通側は報道を否定している。菅義偉官房長官(67)は12日の記者会見で「招致活動はクリーンな形で行われた」と強調。招致委員会で理事長を務めた日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(68)も「われわれはフェアに招致活動をした。問題はなく、心配するようなこともない」と反論した。