競泳のアテネ、北京五輪2大会連続2冠の北島康介(33=日本コカ・コーラ)が10日、東京辰巳国際水泳場で引退会見を開いた。

 8日の200メートル平泳ぎで5位に敗れ、5大会連続五輪出場を逃した北島は、28年間の競技人生を振り返り「なかなか簡単な言葉で言い表せない。ただ、幸せな選手生活を送らせてもらった」と晴れやかな表情。一方、試合の達成感を味わえなくなることには「その時間がなくなってしまうのは、心に穴が開いた感じになってしまうのかなと思う」と寂しさをのぞかせた。

 今後については「水泳界に貢献したい気持ちが強い」と話す一方で、指導者への転向は否定した。「ボクの中で一番のコーチは平井(伯昌)コーチ。そこにあえて勝負しにいきたいと思わない」。水泳に関わりつつもリオ、そして東京五輪に向け、後輩たちを温かく見守っていくという。

 400メートル個人メドレーなど4種目でリオ五輪代表に内定している萩野公介(21=東洋大)らに「ぜひ、五輪で金メダルを取る感動を味わってほしい」とエール。同席した平井コーチは「(指導を)20年間やってきたので、北島ロスにならないように他の選手を鍛えて『リオで頑張ってきたぞ!』って報告できるようにしたい」と決意を新たにした。