日ハム吉井コーチ退団の真相

2012年11月08日 11時00分

 日本シリーズは巨人が日本ハムを4勝2敗で下し、3年ぶり22度目の日本一に輝いた。シリーズの興奮が冷めやらない中、両チームに激震が走った。日本ハムは栗山英樹監督(51)を支えた吉井理人投手コーチ(47)が電撃退団。斎藤佑樹投手(24)の処遇が原因で決別したと見られる。

 日本ハムは4日、福良淳一ヘッドコーチ(52)、清水雅治外野守備走塁コーチ(48)、吉井投手コーチの退団を発表した。福良コーチは同日、オリックスのコーチ就任が発表され、清水コーチはロッテ入りが濃厚だ。この2人の退団は既定路線だったが、なぜ吉井コーチも加わったのか。


 吉井コーチは退団理由については「監督と全然うまくいかなくて迷惑をかけた。それが選手にも伝わっていた。自分の責任と思って」と話したように、栗山監督との間に生じた亀裂は修復不能なほど広がっていた。

 発端は栗山監督が今季の開幕投手に斎藤佑を指名したことといわれている。新監督の開幕戦に佑ちゃんが先発すれば話題性は十分。ファンやマスコミを意識した部分もあっただろうが、吉井コーチは最後まで反対だったという。開幕戦の西武戦は打線が9点の大量援護し、9回を投げ4安打1失点でプロ初の完投勝利をマーク。それでも吉井コーチは納得しなかった。

 開幕6試合で4勝1敗と好スタートを切った斎藤だったが、6月6日の5勝目を最後に勝てなくなり、7月30日に二軍降格。二軍でも危機感を見せずにマイペースの斎藤に吉井コーチはあきれていたといわれる。

 そして10月5日の本拠地最終戦の楽天戦に先発した斎藤を巡り、確執は決定的となった。意思決定の過程で栗山監督、福良ヘッドコーチ、吉井、芝草両投手コーチとの4者会談が行われ、斎藤先発案は1対3で、いったん却下。だが“賛成”の1票を投じたのが栗山監督だったことで、福良ヘッドが「監督の1票というのは重い」と助け舟を出し、決定が覆ったという。ところが、その試合で斎藤は5回もたず6失点KOとごう沈した。

 そして日本シリーズでも同様のことが繰り返された。当初はバックアップメンバーだった斎藤を第5戦で2ー8と大差の8回に5番手でマウンドに送った。「シーズンで頑張った投手を優先させたい」と話していた吉井コーチは顔を潰されたも同然で、「自分の意見が通らないことが選手に分かってしまった」と嘆いていたという。

 就任の際に斎藤と中田の育成を託された栗山監督と、純粋な結果で選手を評価する吉井コーチが決別するのは必然の結果だった。

 

 

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