リオ五輪に臨む水球男子日本代表GK棚村克行(26=ブルボンKZ)が“PRIDE魂”での大活躍を誓った。

 2日、都内でリオ五輪代表メンバー13人が発表された。ひと際、注目を集めたのが棚村のルックス。スキンヘッドに約4センチのアゴひげを生やし、イケメン揃いのポセイドン軍団のなかでもインパクト大。ひげは相手に威圧感を与えるためで「あまり人相が良くない。親に『やめなさい』『剃りなさい』って言われる」と自虐的に笑った。

 そんな棚村の武器の一つが強靱な肉体だ。高校3年時には総合格闘技ジムに通い、元PRIDE戦士の小路晃氏(42)に指導を受けた。小路氏は「最後の日本男児」の異名を持つ熱血漢。棚村も「男としても、人間としても、純粋に強くなりたかった」と熱いハートを受け継いだ。

 水球は「水中の格闘技」と呼ばれるコンタクトスポーツで、大本洋嗣監督(48)も現役時代に右目を負傷し「ほとんど見えない」ほど。選手は生傷が絶えないが、現在も富山に行ったときには小路氏のラーメン店を訪ねるなど交流を持つ。棚村は「経験は大いに生きています」と誇らしげに胸を張った。

 32年ぶりの五輪出場で企業からの支援が急増するなど、盛り上がる水球男子代表。メダル獲得への道はまだまだ険しいが“水中の柔術使い”がゴールの番人を務める。