テコンドー世界選手権女子57キロ級金メダルの浜田真由(22=徳山大)が、リオ五輪金メダルに向け2大新技を完成させたことが判明した。

 浜田はリオで行われたテストマッチで優勝し、24日に帰国。競った試合もあったものの、初のリオの地で4試合を勝ち抜いたことは大きな自信になった。

特に、課題だった新型電子防具にもスピード対応。「新電子防具の対策をして本番でも練習の技が得点になった。手応えはあります」と笑みを浮かべた。

 浜田が新防具の存在を知ったのは昨年12月。全日本テコンドー協会が防具を発注したのはその後で届いたのは今月上旬だった。対策を練れたのはごく短期間。そんななかでも、指導する古賀剛コーチ(40)によれば、変型のかかと落としと回し蹴りの2種類を決めた。

 2つの新技は初公開ながら相手を翻弄。かかと落としは約185センチの長身選手にも炸裂させた。実戦で有効な武器を開発してしまうあたりは、浜田の天性の才能と言っていい。

 年末からは名トレーナーのケビン山崎氏(64)が主宰するジム「トータル・ワークアウト」で肉体を強化。「パフォーマンスはすごく上がりました。(筋力も)1・5倍くらい上がった。尻回り、太ももがビルドアップした」(古賀コーチ)と、技の威力を後押しした。

 新防具の導入で、大会全体の総得点は3分の1にまで急減したという。「カスってもポイントになる」と揶揄(やゆ)される従来の防具からの“脱却”に世界がもがく中、浜田は階段をあっという間に駆け上がった。