競泳の萩野公介(21=東洋大)が23日、“秘密兵器”とともにスペイン・グラナダ高地合宿へ出発した。

 リオ五輪最終選考会の日本選手権(4月4日開幕、東京辰巳国際水泳場)に向け、約4週間、最後の仕上げを図る。標高2300メートルの当地で心肺機能の強化が目的。「選考会前なのでミスはできない。練習はもちろん、食生活にも気をつけながら万全の状態で取り組みたい」と意気込んだ。

 一心不乱に泳ぎ込むための手も打った。前回のグラナダ合宿では空腹と闘う時もあったという萩野は「今回、『ガッツギア』っていうゼリーを7.5キロ持ってきたんです。スーツケースの半分はガッツギアです」と笑い、パンパンになったケースを叩いた。

 ハードな練習で、ガス欠を防ぐ役割がある。通常のゼリー状栄養補助食品に比べ、量が多いのが特徴で「普通は150とか200グラムなんですけど、これは1個250グラムある。おなかが減った時にちょうどいい。これとバナナを食べたら、ほどよい満腹感になる」。つまり、30個用意した計算だ。

 大会に向け、スローダウンするための期間が「5日」と極端に少ない萩野だが、異国の地でも心置きなく追い込みをかけることができそうだ。