日本水泳連盟の「平成27年度優秀選手・コーチ表彰式」が25日、都内のホテルで行われ、最優秀選手の渡部香生子(19=JSS立石)が体調不良を押して出席した。

 昨年の世界選手権では渡部を含めて3選手が金メダルを獲得し、リオ五輪代表を内定させたほか、男子水球が32年ぶりに五輪切符を手にするなど好調とあって、会場は華やかな雰囲気。壇上であいさつした幹部は「強くなるにはおカネが必要なんです」とスポンサーにさらなる支援を呼びかけた。

 そんな大事なイベントだけに、主役の渡部も気安く欠席するわけにもいかない。報道陣には「渡部選手は体調不良のため、表彰式後の取材は受けない」とアナウンスされたほどだった。それでも、表彰式では努めて元気に振る舞い、壇上では「1年前に代表が決まるのはいいことばかりだと思っていたけど、余計にプレッシャーを感じることもある」と現在の心境を吐露。さらに受けない予定だった取材にも応じ「今日はうれしい一日。リオ五輪では頑張ろうという思いが強い」と話した。

 メダル候補、金メダル候補が複数いる日本競泳陣のなかでも、渡部への期待度はトップクラス。本人のなかでもエースとしての自覚が芽生え始めたようだ。