2020年に開催される東京五輪・パラリンピックのエンブレムの最終候補4作品が9日、決定した。大会組織委員会・エンブレム委員の王貞治氏(75)は「国民のみなさんに喜んでもらえるものが選ばれたと思う」と手応えを感じている。

 4作品は今後、8000万円をかけて商標調査が行われる。その後、問題がなければ春ごろに組織委員会の公式ホームページで公開。万が一、商標上の問題があったときのために次点4作品も決定。最終候補の中に脱落するものが出れば、次点の中から評価が高かったものが繰り上げとなる。

 宮田亮平委員長(70)は最終候補4作品について、「全部違う。躍動感があるもの、力強いもの、美しいもの、心ときめくもの。それぞれ違いがしっかりあります」と評価した。サイトで公開することにより、何らかの方法で国民の意見を募り、最終決定に反映させる方針。早ければ春、遅くとも夏のリオ五輪までには決めたいという。

 前回の佐野研二郎氏(43)のエンブレム選定時はネットで類似作品が指摘され、大炎上した。複数の候補を事前にネット公開する狙いは何か。「公開すると(国民が)画像検索すると思う。決まる前に似てる似てないの議論があればいい」(組織委員会関係者)

 以前、武藤敏郎事務総長(72)は佐野エンブレムがネットで炎上したことを受け、「一般国民には理解が得られない」と上から目線で話していたが今度は“一般国民”に頼ろうというのだ。

 前エンブレムの撤回で日程に遅れが生じており、サイトへの公開は「1~2か月も時間は取れない」(同)。約1週間という短期間で国民の意見を集約するという。リオに間に合わせるためというが、「リオまでに決まってないといけないルールはない」(同)。ドタバタの展開になりそうだ。