【ネバダ州ラスベガス9日(日本時間10日)発】レスリング世界選手権(オーリンズ・アリーナ)が3日目から女子フリースタイルが開幕。53キロ級の吉田沙保里(32=ALSOK)、48キロ級の登坂絵莉(22=至学館大)が揃って決勝に進出し、銀以上のメダル獲得とリオ五輪代表を内定させた。

 五輪、世界選手権と合わせ16連覇を目指す吉田は、準決勝でチョン・ミョンスク(北朝鮮)と対戦した。1—0で迎えた第2ピリオド、30秒間のアクティビティタイムを科せられた吉田はバックに回って2ポイントを追加。その後の反撃をしのぎ5—2で逃げ切った。

「強かった…」と呼吸を整えた吉田は「まだ優勝したわけじゃない。決勝は(ソフィア)マットソンが勝ち上がってきたので、最後まで全力を尽くしたい。あと1回勝てばリオにつながっていく」と4大会連続出場となる五輪切符に安堵しつつも、気を引き締めた。スウェーデンのマットソンとは3大会連続の決勝となる。ただ、チョンが大きな壁だったようで、「キタチョーが一番つえー」と叫び、バックステージへと消えた。

 また、3連覇を狙う登坂は右足タックルからバックに回って、ポイントを稼ぐ必勝パターンが定着。準決勝ではジュヌビエーブ・モリソンアレ(カナダ)の右足にしつこく絡みついて6―4で制した。初の五輪が内定。「今までで一番重い試合になった。オリンピックがほぼ決まってまだ実感が湧かないけど、うれしい」と笑顔を見せた。決勝の相手はロンドン五輪銀メダルのマリヤ・スタドニク(アゼルバイジャン)で初対決となる。「泥臭くても最後私の手が上がっていて『やっぱり、登坂は強かった』と思われる試合をしたい」と必勝を誓った。

 一方、69キロ級の土性沙羅(20=至学館大)は準々決勝で周風(中国)に7―11で敗退。それでも敗者復活戦で勝ち上がり、3位決定戦に進んだことでリオ五輪国別出場枠は確保した。「金メダルを取るつもりで来たので悔しいけど、オリンピックにつなげたい気持ちがある」と銅メダルを死守し、代表を内定させるつもりだ。