【五輪エンブレム問題】ネット有志が「フランスパン持参デモ」計画

2015年08月21日 06時00分

とうとう佐野氏に対してデモが起こされる?

 余波はどんどん広がるばかり。盗用が疑われている2020年東京五輪のエンブレムをめぐって、ネット有志がデモを計画している。まだ具体的に詰められてはいないが、昨今はネットを介してデモの参加者を募るケースが多く、実現性は高い。すでに「フランスパンを持って集まろう」といった提案も出ている。政府関係者は「このデモに右翼団体や左翼団体が関係してくると、注目せざるを得ません」と話す。差し止め要求も出ているエンブレムの撤回への後押しとなるか。

 エンブレム問題の口火を切ったのはネットだった。デザインを盗用されたと主張し、使用差し止めを求める訴えを地元裁判所に起こしたベルギーのデザイナー、オリビエ・ドビ氏が、自身が手がけたリエージュ劇場のロゴとエンブレムを並べてフェイスブックに投稿。日本のネットユーザーたちも関心を持ち、エンブレムをデザインした佐野研二郎氏(43)の過去の作品についても検証を始めた。

 その結果、サントリーのキャンペーン用トートバッグや愛知県の東山動植物園のシンボルマークなど、数々の疑惑が浮上し、炎上に至った。

 検証作業が続くネットではさらなる動きが始まっている。エンブレム撤回に向けたデモだ。ネットでは有志たちが実現に向けた計画を練っている。東京・渋谷区にある日本オリンピック委員会(JOC)の周辺や佐野事務所など候補地がいくつか浮上。トートバッグ問題ではフランスパンの写真が無断使用されていたこともあり、「フランスパンを持って集まろう」という呼びかけもある。

 具体的なことは未定ながら、早ければ次の日曜日となる23日にも開催される可能性がある。政府関係者は「ネットで呼びかけといっても、内容によってはかなりの数が集まるでしょう。過去にフジテレビに対するデモが行われたときも、ネットで集まった記憶があります」と振り返る。

 フジテレビへのデモは2011年に始まった。俳優の高岡奏輔(33)がツイッターを通じて、同局が“韓流推し”だと批判的につぶやいて事務所を辞める騒ぎになったことを機に、もともと同様の不満を持っていたネット有志が集った。デモの影響か否かは不明だが、その後のフジは視聴率の低迷にあえいでいる。

「純粋にエンブレム撤回を願う有志がデモをするなら、政府や公安が気にすることもないかなと思います。ただデモが大きな動きになり、そこに右翼だとか左翼だとかの団体が関係し、主導しようとしてくると気にせざるを得ない。エンブレム撤回が五輪開催反対となってしまうと、特にそうですね」(前出の政府関係者)

 今のところ、デモ計画にどこかの団体が関与している形跡はない。フジテレビへのデモがスポンサーへの抗議に発展した経緯もあり、エンブレム撤回デモが現実に行われた場合も、そうならないとは限らない。それほどネットの影響力には侮れないものがある。

 エンブレムをめぐる問題は、民主党のマスコット「民主くん」がゆるキャラグランプリに出場することにも“飛び火”。民主くんは同党のロゴマークをモチーフにしている。ロゴをデザインしたのがアートディレクターの浅葉克己氏(75)。日本グラフィックデザイナー協会会長の浅葉氏は、五輪エンブレムの審査委員を務めていた。

 この場合、浅葉氏の許可を取っていないといけない。念のため、本紙は民主くんに「盗用は大丈夫か」と直撃。言葉を話せない民主くんは「○」と書かれたプラカードを示して、問題ないと強調した。党職員は「法的なことはチェック済みです。(モチーフとなった)ロゴマークとの調整もやっています」と浅葉氏のOKは出ていると話す。

 五輪エンブレム問題を機に、すべてのデザインに厳しい視線が注がれる状況になっている。