引退城島「野球好きなままやめたかった」

2012年09月28日 12時15分

 阪神・城島健司捕手(36)が28日午後、現役引退を表明することが分かった。今年は5月下旬に椎間板ヘルニアの手術を受けるなど完全復活を目指してきたが、捕手としてプレーを続けるメドが立たなかったことから、ユニホームを脱ぐ決断を下した。

 

 来季は4年契約の最終年で、現役に固執するなら続けることは可能だった。ただ、若いころから「キャッチャーができなくなったら引退する」と口にしていた自分にウソをつくことはできなかった。「一塁を守りながら“なんか違うな”と思ってプレーを続けていたら、きっと野球が嫌いになる。今でも野球は好きだし、野球を好きなままやめたかった。野球に嫌気が差したり、本人の意思とは関係なく引退させられる人が多い中、野球を好きなままやめられる僕は幸せ者」との思いもある。

 

 今年6月の株主総会では、出席者から「不良債権」呼ばわりされた。「この年になれば、そんなことを気にすることもない」。捕手として完全復活する手応えさえあれば、プレーで見返すことも可能だったがかなわなかった。

 

 1994年にドラフト1位でダイエー(現ソフトバンク)に入団し、3年目にレギュラーとして定着。99年のリーグ制覇と日本一に貢献し、2003年にはリーグMVPにも輝いた。常に「やりがい」や「成長」を求めてきた城島は「そこに高い山があるから登る」と05年オフにFA権を行使して米大リーグのマリナーズに移籍。出場機会が減った09年オフには、契約にあぐらをかくことなく、自分を必要としてくれた阪神に飛び込んだ。 自分の言葉で自分の考えを正直に話してきた城島には評論家のオファーが殺到することも予想されるが、ひとまず第2の人生は家族にささげるという。

 

「これからは父、夫として仕事をしないと。妻から戦力外通告されないよう、家族と過ごす時間を大切にしたい」。

 

 一時代を築いた強肩強打の大型捕手は、最後まで有言実行を貫き、惜しまれながらユニホームを脱いだ。