2026年の次回冬季五輪の開催地ミラノコルティナが気候変動の危機にひんしており、開催地の適性で札幌の評価が急上昇している。

 英メディア「インサイドザゲームズ」は、ミラノコルティナ地域の危機的状況を報道。「干ばつがイタリア北部の5つの地域を襲い、26年に冬季五輪が開催される地域にも影響を及ぼしている。イタリア政府は、これらの地域で非常事態宣言を出した。これは70年間で最悪の干ばつとなっている」と指摘した。

 イタリアのマリオ・ドラギ首相は、気候変動は「確実な状況」と危機を露わに。冬季五輪の地で気候変動による影響が甚大で、同メディアは「スキーは大会期間中にドロミテ山岳地帯で行われる予定であり、気候変動の問題は主催者と冬季五輪の将来にとって懸念事項だ」と4年後に無事に開催できるか不安視されている。

 ミラノコルティナだけでなく、これまで五輪を開催されてきた都市もほとんどが温暖化の影響により今後の開催は不可能になると分析。「カナダのウォータールー大学の最近の調査によると、世界の二酸化炭素排出量が削減されなければ、過去21カ所の冬季五輪開催都市のうち、将来的に大会を開催できるのはわずか1つだけだ。米国、フランス、ドイツ、ロシアの都市でも気温が高いため、すでに開催に際しては信頼できないと見なされている」と厳しい現実を突きつけた。

 そうした中、唯一評価を上げたのが開催が可能と判断された「1つだけ」の都市。それが2030年の開催地に立候補している札幌だ。「日本の札幌市だけが、適切なホスト都市と見なされるようになった」と同メディアは指摘。札幌の気候は有力都市の中で唯一条件をクリアできているという。

 国内では招致に消極的な声が多いが、五輪を取り巻く国際社会からは札幌の信用度が増している意外な状況が浮き彫りになった。