環境破壊による自然環境の保護意識向上や、多様性を尊重する社会への変革が進む中で、目先の利益を追い求めるのではなく、自然環境や社会システムの維持にも目を向ける「サステナビリティー(持続可能性)」に配慮する企業が増加している。シューズ、アパレルなど、多種多様なスポーツ用品の製造や販売を行うアディダス・ジャパンもその一つだ。

 スポーツメーカーが、どのように「サステナビリティー」に貢献していくのか。本紙の取材に応じたマーケティング事業本部でシニアマネジャーを務める山口智久氏は「例えば一足のシューズが永久的に持続可能に使用できるという意味というよりは、世の中の風潮に合わせて、ブランド全体として持続可能性を追求している。世の中の最新の状況に合わせて、持続可能性を追求していく」と語る。その上で「プラスチックの使用量をなるべく減らす努力をしながら、リサイクルマテリアルの割合を増やす努力をしている」と明かした。

 製品の開発にあたっては、できる限り環境に優しい素材を使用。「素材は天然のゴムだったり、代わりの素材はある。あとはプラスチックを再利用できるような形で、世の中に対して環境に優しい取り組みをしている」と力説。現時点で完全にプラスチックをなくすことは難しいが、ランニングシューズの最新モデル「ADIZERO ADIOS PRO 3」には、再利用のプラスチックを積極的に使用しているという。

 機能性だけでなく、環境面にも配慮する取り組みは、まさに先進的と言えるだろう。