
宿敵の独走は許さない。カーリングの日本選手権1次リーグ(25日、北海道・アドヴィックス常呂カーリングホール)、連覇を狙うフォルティウスは北京五輪銀メダルのロコ・ソラーレ(LS)に10―4で快勝。4年後のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪に向けて再スタートを切った中、宿敵に土をつけた。
忘れもしないあの日から約8か月。スキップ・吉村紗也香(30)、サード・小野寺佳歩(30)ら主力メンバーは北海道銀行(当時)の一員として、昨年9月に日本代表決定戦でLSと対戦。2連勝しながらも、まさかの3連敗で北京五輪切符を逃した。吉村が「終わって1週間ぐらいは廃人みたいな感じだった」と言えば、小野寺も「切り替えるまでたぶん2週間とかはかかったかな」と苦笑い。夢破れたショックは大きかった。
吉村はカーリングからいったん離れることも考えたという。それでも、チーム内では今後に向けた話し合いを何度も重ねた。昨年11月末に北海道銀行とのスポンサー契約は終了したものの、主力メンバーでクラブチーム「フォルティウス」を立ち上げた。
「本当にあと一歩というところの差だったので、まだこれからいけるんじゃないか」(吉村)。素直な思いが主力メンバーたちの心を動かした。北京五輪ではLSが銀メダルを獲得。吉村は「もしかしたらあそこに立っていたのかも。悔しさが半分以上あった」と複雑な胸中を明かしつつ「すごく刺激になったし、勉強になった」と奮起した。
日本選手権に向けてはカーリングの聖地・常呂町で4チームによる合同合宿に参加するなど、さまざまな形で準備を進め「チームが新しくなってから初めての大会なので、いいスタートを切りたい。今はすごくいい準備ができてきているので、連覇を目指したいし、どのチームともいい試合がしたい」と目標を口にしていた。
今大会でLSにリベンジを達成したが、決勝トーナメントに進出するためには残り2戦も確実に勝利したいところ。「まずは予選を上がるのが第一関門。時間によってアイスの変化があるので、その日のアイスをしっかり読んで、まずはチームで一つずつショットをつないでいくところに集中したい」と気を引き締めた。
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