ロシアとベラルーシのアスリートが大量にカザフスタンへ国籍変更する動きが出てきている。

 ウクライナ侵攻に対するスポーツ界の制裁が広がり、ほとんどの競技でロシアやベラルーシの選手の国際大会への出場が禁止されている。

 そうした中で、カザフスタンメディア「ZAKON」は「カザフスタンの五輪スポーツチームは、ロシアとベラルーシのアスリートから市民権の変更を求めるリクエストを受け取り始めた。国籍を変更して国際大会に復帰する機会を探している」と報道した。

 同メディアによると、カザフスタン政府スポーツ委員会のサマット・イエルガリエフ委員長が「提案はロシアとベラルーシから来ている」と明言した。ロシアではカザフスタンとの二重国籍を有している国民が一定数いることに加えて、同国がウクライナ侵攻に反対していない背景もあって、アスリートたちが国籍変更を決断しやすいとみられる。

 イエルガリエフ氏は受け入れ態勢について「私たちは特定の目標を持っているボクシングやレスリングなどの優先スポーツについては、外国人選手の帰化は対象外としている。ただ、優先スポーツほど発達していないスポーツについては選手に一定の目標を設定し、このスポーツの発展に強力な推進力を与えられる」と説明。カザフスタンではあまり強くない競技の強化を目的に、積極的にロシアやベラルーシの選手の帰化を推進する構えだ。

 ただ、ハードルが低いことによって一時的にカザフスタンに帰化するなどロシア勢にとって〝抜け道〟となりかねないだけに、今後の動向を注視していく必要がありそうだ。