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涙の復活!新垣の新たな旅が始まった


【山下末則のスポーツ末広がり】 ソフトバンクの開幕3戦目、1日のオリックス戦で丸2年にわたり一軍マウンドから遠ざかっていた新垣渚投手(31)が復活登板を果たした。「7、8割で投げる」という言葉通り、打たせてとる投球で、見事に無四球完投。かつての豪腕投手のイメージは影を潜め、ニュー新垣の誕生を印象づけた。

 

 この2年間は辛く、苦しい時間だったことだろう。右肩痛や腰痛から本来の投球ができないもどかしさは、経験した者にしか分からない。ただ、辛い思いをしたからこそ学べることもある。

 

 1995年6月に小飛球を捕球しようとした際に右肘を強打し、側副じん帯断裂で約2シーズンを棒に振った元巨人の桑田真澄氏も、そんな苦い経験をした一人だ。元々勉強家ではあったが、ケガから復活した後も投球術を磨くだけでなく、古武術にもヒントを求めるなど、各方面にアンテナをめぐらせていた。その引き出しの多さで、晩年の数々の苦難も乗り越えてきたことで知られる。身長174センチと、投手として体格に恵まれていなかったことが、向学心の原動力になっていた。

 

 その桑田氏に新垣へのアドバイスを求めると、こんな答えが返ってきた。

 

「新垣くんも探求すべき年齢になったということではないですかね。自分に合ったフォームやバランスを見つけられないと、また故障してしまう危険性もありますから」

 

 桑田氏と違って190センチの長身を誇る新垣は、力任せのフォームで勝ってきた。故障により過渡期を向かえ、新たな投球スタイルを見出したとはいえ、これで終わりではない。「よりシンプルで効率的なフォームを求める」。そう言って野球を突き詰めてきた桑田氏と同様、理想を追い求める新垣の新たな旅は、始まったばかりだ。

 

☆やました・すえのり=1948年3月14日生まれ。福岡県北九州市出身。宮崎放送を経て、81年に日本テレビ入社。巨人戦実況を中心に、スポーツアナウンサーとして活躍。テレビ野球中継初の槙原投手の完全試合を実況したことでも有名。箱根駅伝のメーンアナウンサーを8年間務め、陸上競技にも精通している。08年に日テレを退社。現在はフリーアナウンサーとしてソフトバンク戦や海外ゴルフの実況で活躍するかたわら、ビジネスマン研修会社を経営している。

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