北京五輪スピードスケート女子1000メートル金メダルの高木美帆(27=日体大職)が現役続行を決心した理由とは――。

 3月のW杯最終戦後に「しばらく休みたい」と語っていた高木美は、5日に都内で会見を行い「休みたいと発言したのは、そのままだが、いろんなことを落ち着いて考えて決められる状態ではない。あとは五輪の1000メートルが終わって、この五輪をやりきったと感じたことも踏まえて、いったんこれからのスケートに対して、自分で期限を決めずに考えようと思った」と振り返った。

 具体的な復帰時期は未定だが、4年後のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪の出場については「正直よく分からない。もし自分がスケートをやりたくないと思う時が来るかもしれないし、そうでなくても、アスリート人生で自分の体がいつまで持つのか、いつどうなるかは分からない」と明言を避けた。

 その理由を高木美は自ら解説。北京五輪前にはヒザを痛めたこともあり、残された競技人生が長くないことは、自分が一番よく知っているからこそ「20代前半に比べたらカウントダウンは近づいている。今の時点では(限界が)いつきてもおかしくないなと思っている。ミラノに対して責任を持った発言はできないというか、分からないという言葉が合っているのかな」と言葉を選びながら話した。

 では何をモチベーションにしていくのか。高木美は自問自答を繰り返す中で、現時点での答えを明かした。

「本当はスケートを続けるかどうか考えるべきだなと思ったけど、どういうふうにやっていくかは置いておいたとしても、スケートを滑ることに対して前向きに思っている自分がいることに気付いた。最初に出てきたスケートを滑りたいんだなと思う気持ちを大事にしたいなと思った」

 今後の行方は分からない。それでも、自ら足で道を切り開いていく姿勢はこれからも変わらない。