スキージャンプ男子の北京五輪ノーマルヒル金メダル&ラージヒル銀メダル、小林陵侑(25=土屋ホーム)を生んだ〝日の丸飛行隊〟の新たな課題とは――。

 今季の小林は大舞台で頂点に立ち、2度目のW杯総合優勝を果たすなど大活躍。3日の会見では自己採点を求められ「ほぼ100点かな」と納得の表情だった。今後は約1か月のオフを過ごし、再始動することになる。

 いまや海外の猛者から追われる立場。1998年長野五輪団体金メダルで北京五輪日本選手団の団長を務めた原田雅彦氏は「これからも優勝を争って総合タイトルを取って『世界の小林陵侑』として君臨してほしい」と期待を寄せる。

 その一方、〝陵侑フィーバー〟を喜んでばかりもいられない。「すでに危機感を抱いている」と話すのは全日本スキー連盟(SAJ)幹部だ。「実は日本勢としては低迷しているのではないかと。他の選手は苦戦しているし、第2、第3の小林が現れて、いち早く肩を並べられるように強化を進めないといけない」

 五輪混合団体は高梨沙羅(クラレ)がスーツ違反で失格。日本は4位だったが、同じメンバーで臨んだ五輪後のW杯混合団体でも4位で表彰台を逃した。同幹部は「ここだけの話、前評判でメダルとか言われていたが、実際は『ちょっと…』という感じだった。要はチーム力を上げていろんな選手が上位で活躍できるようにならないとダメだということ」と〝内情〟を打ち明けた。

 五輪&W杯王者の活躍で皮肉にもスノージャパンの課題が浮き彫りになっている。