また1人、ウクライナのアスリートが戦地へ赴くことになりそうだ。

 先月24日から始まったロシアのウクライナ侵攻に終息の気配が見えない中、ロシアメディア「sports.ru」は、ウクライナ国家国境庁が「ウクライナのバイアスロン選手、アナスタシア・メルクシナが、ウクライナ国境軍に入隊したことを発表した」と報じた。

 ジュニア時代から世界で活躍してきたメルクシナは、世界選手権で銀、銅メダルを獲得。五輪にも2018年平昌大会と22年北京大会に出場した実力者だが、ウクライナ国境警備隊のユーチューブチャンネルで「バイアスロン用のライフルをマシンガンに変える時期がきました。今、世界は黄色と青の色彩に包まれており、私たちは自由の象徴です。私は誇りを持って上級中尉の階級を身につけます」と力強く語った。

 21年東京五輪空手男子組手75キロ級銅メダルのスタニスラフ・ホルナ、ボクシング元3階級王者のワシル・ロマチェンコら複数のウクライナ人アスリートが入隊を志願したとはいえ、平和の祭典後にすぐさま戦闘へ挑むのは何とも皮肉な話だ。