有罪判決の冨田それでも無罪主張 大逆転可能な決定的証拠の存在は

2015年05月30日 09時00分

 それでも僕はやってない。昨年9月のアジア大会(韓国・仁川)で、韓国報道陣のカメラを盗んだとして略式起訴され、帰国後に無実を訴え正式裁判に臨んだ競泳の元日本代表・冨田尚弥(26)に対し、仁川地裁は28日、罰金100万ウォン(約11万円)の有罪判決を下した。

 閉廷後、冨田は「悔しくてたまらない。プール内の監視カメラは不鮮明で、人物が特定できていない。納得がいかない」とのコメントを読み上げた。さらに國田武二郎弁護士は「そもそも検察側に証拠の立証責任があるが、防犯ビデオに写っているのは黒い物体と表現されている。黒い物体が何か立証されていない」と証拠のあいまいさを指摘した。

 しかし地裁が「犯行現場の監視カメラ映像に被告が主張する人物は写っていない。被告人の主張は『奇妙』で信じがたい」と判断したように、カメラをかばんに入れられたと冨田が主張する迷彩柄のズボンをはいたアジア人の存在がまったく確認できていない。

 冨田は「あの防犯ビデオは(事件当日の9月)25日のものではないので、写っていなくても仕方がない」と、防犯ビデオそのものが“捏造(ねつぞう)”であることまで主張したが、何とも苦しい。また、カメラは冨田の部屋から見つかったうえに、犯行を一度認めている。「取り調べで通訳に『認めないと日本に帰れない』と言われたから。警察は否定しているが、どうして通訳は証人として出頭しないのか。僕を恐れているとしか思えない」と改めて“脅された結果”と訴えたが、すべて後付けとあって裁判官を信じさせることは難しい。控訴するかどうかは7日以内に弁護士と相談して決めるというが、大逆転可能な決定的証拠はあるのか。