
北京五輪のスキー・クロスカントリーで3冠に輝いたアレクサンドル・ボルシュノフ(ロシア)の行動が世界に波紋を広げている。
ロシアによるウクライナへの侵攻が国際的な非難を浴びる中、ボルシュノフは自身のインスタグラムに旧ソビエト連邦時代のものとみられるウエアを着用してスキーを滑る画像を投稿。「CCCP(ソ連の略称)1980」とのメッセージを添えた。また、同じウエアを着てストレッチなどを行う動画も投稿している。
ウクライナはソ連から独立した歴史的な経緯があるだけに、この行為が騒動に発展。同選手のインスタには「あなたがこの服を着ている間に、あなたの国の人々はウクライナ全土で市民を殺し、子供たちさえも避難させない」「あなたがロシアのウクライナ侵攻をどのように感じているのか、この投稿がすべてを物語っている。非常識だ」などと批判的なコメントが相次いでいる。
こうした中、ノルウェー紙「VG」は「ロシアのスキー選手のボルシュノフは、ソビエト連邦のスーツを着た写真を投稿した。これは、プーチンによるウクライナとの戦争に対する明白な支持として多くの人に解釈されている」と報道。記事の中ではロシアの専門家で作家のエリカ・ファットランド氏の「一種の宣戦布告だ。彼は明らかに戦争への支持を示している」とのコメントを伝えている。
ロシアのアスリートを巡っては、体操W杯の表彰式でイワン・クリアクがユニホームに軍の勝利を意味する「Z」の文字を書いて大問題となったばかり。選手の着衣を巡って、新たな騒動が勃発した格好だ。
【関連記事】
- 関連タグ: