ウクライナ侵攻によりスポーツ界から制裁が続くロシアが、中国との共催で〝ユーラシア五輪〟を創設する可能性が出てきた。

 各スポーツ団体に国際大会からの締め出しを受け、孤立を深めているロシア。そんな窮地を打開する仰天プランが浮上している。

 1990年のサッカーイタリアW杯でカメルーン代表をアフリカ勢初の8強に導き、J1広島でも指揮したロシアの名将バレリー・ニポムニシ氏が、同国放送局「ラジオトゥーCHKANSN」に大胆構想を披露した。

 まず同局が「ユーラシアチャンピオンズリーグのような新しい大会を開始する可能性がある」と指摘。そしてニポムニシ氏も「クラブと代表チームの両方がプレーするような大会を開催する必要がある。CIS(旧独立国家共同体)には我々とプレーすることを拒否しない友人がいる。アジアのチームも同様に、中国チームの準備ができている」と説明した。すでにスポーツ界で旧ソ連の枠組みを復活させる動きが出ていたが、中国との共催という形でユーラシア大陸を中心とした国際大会をブチ上げたのだ。

 この動きはサッカーにとどまらない。

 ロシアメディア「スポーツエクスプレス」は、体操男子で五輪で4個の金メダルを獲得したアレクセイ・ネモフ氏の見解を紹介。ロシア体操界のレジェンドは「我々はすべてを失ったわけではない。おそらく今後は中国との国際大会があり、こちらはアスリートのレベルも高い」と中国との共催計画が水面下で動いていることを明らかにした。

 馬術メディア「ゴールドマスタング」も、ロシアのアレクセイ・モロゾフ・スポーツ副大臣が出席した運営会議で新たなスポーツ大会の創設が議題に上がったと報道。同メディアは「現在、ロシアの各スポーツの大部分がCISやBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国)に焦点を当てている。さらにロシア(が主催予定)の大会はオープンな態勢で、他国の選手もそのような大会に参加することができる」と指摘。ロシアと中国が新たなスポーツの総合大会〝ユーラシア五輪〟を画策しているのだ。

 ただ、中国は北京五輪を終えたばかりで現在はパラリンピックを開催中で、国際オリンピック委員会(IOC)とも蜜月関係にある。はたしてロシアからのラブコールに応じるのか、中国が今後のキーマンになりそうだ。