悔しい銀…名スキップ・藤沢五月の原動力は「負けず嫌い」と「カーリング愛」

2022年02月21日 05時15分

表彰台で涙を流した藤沢五月。右は吉田知那美(ロイター)
表彰台で涙を流した藤沢五月。右は吉田知那美(ロイター)

〝金メダル級〟のカーリング愛だ。北京五輪のカーリング女子決勝(20日、国家水泳センター)で日本代表ロコ・ソラーレ(LS)は、英国に3―10で敗れたものの、日本初となる銀メダルを獲得。スキップ・藤沢五月(30)は頂点に届かず悔し涙を流したが、今大会は好ショットで何度もチームの窮地を救ってきた。前回の平昌五輪に続き、2大会連続で表彰台に導いた名スキップの原動力とは――。

 負けたくない一心で勝ち取った銀メダルだ。3人きょうだいの末っ子で父・充昌さんが「負けず嫌い」と話すように、どんなときも勝つことに貪欲だった。子供のころに充昌さんとオセロ対決をした際、次に置いたら負けが濃厚な場面で、藤沢が石を置くのを拒んだのは有名な話だ。

 この姿勢は大人になった今でも変わらない。藤沢と混合ダブルスでペアを組む平昌五輪男子代表の山口剛史(SC軽井沢クラブ)は「負けず嫌いな部分は相当強いです。混合ダブルスで合宿中とかに1対1で勝負をしたりするのですが、例えば『今日のお昼ご飯をどっちがごちそうするか勝負をしようぜ』みたいな感じになると、絶対に最後まで粘ってきます。どうにかして勝ちたいというのが前面に出てくるタイプ」と明かす。ちなみに、藤沢が負けた場合は「機嫌悪くなるというか、怒ってます(笑い)」という。

 カーリング以外でも負けん気は同じだ。国内の強豪チームが集まって行われた昨夏の合同合宿では、レクリエーションの一環として男女混合チームでさまざまなスポーツに取り組んだ。そこで藤沢は抜群の運動能力を発揮。山口が「フットサルは僕と藤沢さんは別のチームでしたが、得点は一番決めていましたね。とにかく一番になりたいんでしょうね」と舌を巻くほどの活躍を見せた。

 勝ちにこだわるからこそ、誰よりもカーリングを愛している。LSと昨年9月の代表決定戦で死闘を繰り広げた北海道銀行のサード・小野寺佳歩(現フォルティウス)は「藤沢さんはとにかくカーリングが大、大、大好きっていう感じです。すごく1つの勝ちとか、1つのショットメークにこだわりを持っています」と印象を口にする。実際に藤沢は常呂での年越しカーリングに家族で足を運んだり、動画などでトップ選手のプレーをチェックしている。

 練習も人一倍こなしてきた。小野寺は「1人で練習をしている場面をよく見ます。練習試合や練習の中でも納得がいかなかったら納得いくまでやり切って終わる。スッキリするまでやるという思いの強さ。カーリングが好きだし、負けず嫌いだという感じがします」と証言。スキップとしての自覚を胸に、地道な鍛錬で勝負強さを培った。

 惜しくも世界一の壁は越えられなかった。「こんなに悔しい表彰式ってあるんだなと初めて感じた」と涙を流した一方で、負けを糧に進化を遂げてきたのがLSだ。「私が自分に今声を掛けるとしたら、絶対にいつかまたこの舞台に戻ってこいと言うと思います」。その視線は、早くも4年後へ向けられていた。

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